自分の人生の舵をとる@キャリアカウンセリング
自分で自分のことをどれくらい正しく知り、どれくらい活かして生きているだろう?
この最初の「自分を正しく知る」というところから難しい。1人では、自分だけでは。
キャリアカウンセリングは、ツールや対話を通じてそれを優しく、でも逞しくひらく。
今回はそんなキャリアカウンセリングを受けてくださっている武甕百合子さんから生の声を頂きましたのでご紹介します。受けようと思ったきっかけや背景、受けてからの変化など赤裸々に書かれています!「私の人生、これで良いのかな?」と立ち止まって考えたい、そんな人にぜひ読んでいただきたいです。
私とさとみんの出会いは、大学時代の後輩が開催してくれた異業種交流会でした。
人数が多かったこともあり、じっくりお話しすることはできなかったのですが、出身地がとても近かったこと、私が震災前後に福島県浜通りで仕事をしていたこともあり、共通の話題が多く、その後、時々お会いするようになりました。
当時の私は、いわゆるキャリア迷子。
幼いころから優等生として育ち、新卒で大手企業に入社して懸命に働き、資格も取りました。気づけば15年以上が経ち、40代を迎えていました。いろんなことを割り切ったつもりでも、どこかに虚無感や不安を抱えていました。
幸せだ!とは言えないけれど、すごく不幸でもない。
納得いかないことも多く、不満もいくらでもあるけれど、給料はそこそこ良くて、自他ともに認めるホワイト企業。やりがいや自分らしさを求めなければ、このまま定年まで安泰だ。
でも、満たされない。
激務ではないのに、毎日くたくたで、何もする気が起きませんでした。冷凍食品とシャワーで手早く済ませ、寝ても疲れが取れず、朝はうんざりしながら会社に向かう。平日は仕事だけで終わり、休日は家事をこなすだけ。友達と遊ぶこともあったけれど、年々疲れが勝って、それすらおっくうになっていきました。でも、もっとブラックな会社もあるし、私は恵まれているほう。転職したところで、今より良い環境になる保証もないし、条件も望めない。これは自分の気持ちの問題。
仕事なんて、つまらないのが当たり前。
だから省エネで働いて、お金を貯めて、老後は悠々自適に。みんなそうしているし、それが「普通」なのだと、自分に言い聞かせていました。
そんなときに、さとみんからもらった名刺に書かれていたひと言。
「面白くなければ、何かがおかしい」
ええ?そんなこと言ったら、おかしいことしかないけど。
仕事をしていて「面白い」なんて思ったこと、最近あったかな?
若いころはあった気がする。でも、何度も裏切られたり、尻すぼみになったりして、「面白い」と感じること自体を封印してきた気がする。だってそうしないと、馬鹿らしくて仕事なんてやってられない。期待したり真剣になったりすると、傷つくし、疲れるし、心も体も持たない。それが大人になるということ。社会人としての賢いふるまい。
当たり前で、普通のはずなのに、「おかしい」って言ってもいいのかな……。
そう思いつつも、その言葉はなぜか、私の心に深く突き刺さりました。
きっとその理由は、目の前にいるさとみんが、本当に面白そうだったから。
私より大人で、社会人経験も長いはずなのに、ニコニコ元気に笑って、「おいしい、おいしい」とご飯を食べてお酒を飲み、周りの話に心から興味をもって耳を傾け、自分の経験や考えも楽しそうに話していて。毎日をワクワクしながら過ごしているのが伝わってきました。
それがとても自然で、無理がなくて、そのたたずまいが本当に羨ましくて――
「あんなふうに生きられることってあるんだ」と、驚きました。
その後何度かお会いする中で、さとみんにキャリアカウンセリングを受けてみないかと声をかけてもらいました。
実は、以前にもキャリアカウンセリングを受けたことがありました。
一般的なカウンセリングでは、これまでのスキルや経験をもとに、より良い条件で働ける企業を紹介するのが主な目的です。けれど、当時の私は「こんな仕事がしたい」「こんな会社で働きたい」とはっきり言語化できず、カウンセラーさんとも話がかみ合わないまま、結局、何も動き出せませんでした。
でも、さとみんなら違うかもしれない、という予感がありました。
さとみんは、私の市場価値ではなく、「私という人間」そのものに向き合おうとしてくれていました。そして何より、愛を感じたんです。
さとみんは否定するかもしれませんが、「どうにかしてあげたい」という想いが、私には伝わってきました。そして、自分でも何がしたいか、どうなりたいかははっきりしないけれど、「何かがおかしい」という確信だけはありました。
会社でのある出来事をきっかけに退職を決意した私は、思い切ってさとみんにキャリアカウンセリングをお願いしました。
さとみんのカウンセリングは、少し独特です。
自身が学んできたメソッドをもとに、「変化」をキーワードに、自分の人生を振り返ります。何が起き、どう感じ、どう行動してきたか。その流れをストーリーのように紐解いていく作業です。さらっと流していた過去の出来事に対して、「そこ?」というようなポイントで問いかけが入ります。すると、自分でも気づいていなかった本音がぽろっと出てくる。そのたびに、自分が信じていた「当たり前」が、少しずつ揺らいでいきました。
そして気づけば、自分の人生が、これまでとは違う意味を持ち始めていたのです。
自分の思考や行動の癖も、そのストーリーの中に整理され、気づけば自分を大切に思えるようになっていました。とはいえ、そのプロセスは穏やかなばかりではなく、むしろ過去の感情がよみがえってむき出しになるような時間でもありました。とても怖くて、時には攻撃的になってしまうこともありました。それでも、さとみんは変わらずそこにいて、まっすぐに私を見つめて、話を聞いてくれました。無理にたしなめることもなく、その場しのぎの慰めもなく、私が自分の力で気づいていけるよう支えてくれました。
感情に流されず、かといってドライでもない。フラットに、真正面から向き合ってくれる――そんなさとみんの強さと優しさは、ちょっと普通ではないと思います。
何度も揺れ動きながら、さとみんの問いを反芻し、自分の内面を掘り下げていくうちに、私の中にいた「ぶきっちょだけど何とか頑張ろうと必死にもがいていた自分」が見えてきました。下手くそだけど一生懸命で愛おしく、「もう『面白い』で生きていってもいいよ」と、心から思えました。
今の私は、会社を辞めて地元に戻り、古い家を修繕したり、庭の手入れをしたりしながら、前から気になっていたグラフィックデザインの勉強を始めました。就労支援にも通いながら、スキルアップに励んでいます。転職先を決めずに辞めたのは不安もありましたが、「ちゃんと自分が本当にしたいこと、好きなことを見極めてから次に進もう」と思っての決断でした。それが必要だと思いましたし、それでいいと思えました。
会いたい人に会い、人から見た自分を知ることで、自分がどんな世界にいて、どんなふうに生きてきたかを俯瞰する中で、「どう働きたいか」も少しずつ見えてきました。
キャリアカウンセリングはまだ進行中ですが、さとみんはビジネス経験も豊富な方なので、スキルの棚卸や言語化にも的確なサポートをしてくれます。これからも伴走してもらいながら、本当に「面白い」と思える仕事を見つけていけたらと思います。
いい仕事に出会えたら嬉しい。でも、もしそうでなくても、今の私なら、自分を不幸にするような選択はしないと思える。
自分を知り、見極め、学びながら前に進んでいく――
そんな強さが、いつのまにか私の中に根を張っていました。
さとみんのキャリアカウンセリングは、「どこに就職するか」だけでなく、
「自分にとって、本当に正しいキャリアとの向き合い方」を知るための時間でした。
⇩冒頭に出てきた異業種交流会?!より(さとみん左上が武甕氏)
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